スマートフォン編
スマートフォンとは
スマートフォン(以下、スマホ)は、画面の大きい指で操作できるケータイのように見えます。でも、スマホは、インターネット等への接続機能をはじめ、これまでのケータイをはるかに超えるさまざまな機能を兼ね備えており、実際には、ケータイというより、小さなパソコンと考えた方がよいでしょう。
パソコン並みに高性能なのに軽くてコンパクトなスマホがあれば、通話やメールは勿論、どこにいても、ホームページ閲覧、スケジュール管理、動画・音楽・電子書籍、SNS、通販などを行うことができ、生活に、仕事に、学習に、遊びに、幅広く活用することができます。アプリケーションやソフトウェアをインストールすれば、スマホでできることはさらに広がります。また、スマホは画面をタッチして操作するので、誰にでも簡単に操作ができ、また、触れたところを読み上げてくれる機能があるなど、アクセシビリティ(∗)にも大変優れています。
しかし、様々な機能を持っているからこそ、ケータイ以上に知っておかなければならないこと、注意しなければいけないことがあるのです。もちろん、ケータイやインターネット(詳細は、ケータイ・インターネットの歩き方「入門編」をご覧下さい。)のことをきちんと理解しておくことが必要です。その上で、スマホを利用するのであれば、下記をよく読んで、スマホの特性についてもしっかり学んでください。
(∗) アクセシビリティ(=Webアクセシビリティ)
年齢や身体的制約、利用環境などに関係なく、利用する全ての人々がWeb上の情報に問題なくアクセスでき、コンテンツや機能を利用できること。
または、アクセスや利用のしやすさ。
ウィルスに感染するの?
スマホのシステムはパソコンと同じですから、当然、コンピュータ・ウィルスに感染する危険があります。ウィルスに感染してしまうとスマホが使えなくなるというだけでなく、アドレス帳の内容やメールの履歴、保存されていた写真などのデータが壊されたり勝手に流されたり、あるいはIDやパスワードが盗まれて悪用されてしまったりするなどの被害を受ける可能性があります。場合によっては、スマホをのっとられ、悪い人に利用されてしまうかもしれません。利用している人が気づかないうちに侵入してくるウィルスの感染被害に遭わないために、次のことを実行しましょう。
- セキュリティ対策ソフトを導入する
- パターンファイル(ウィルスを定義するファイル)を常に最新の状態にする
- 送信者に心当たりがないメール(含:添付ファイル)は開かずに削除する
- 怪しげなWebサイトやコンテンツにアクセスしない、利用しない
- アプリケーションは信頼できるものだけを利用する
スマホの情報やデータを守るには?
スマホは、小さくて軽いのでどこにでも気軽に持ち運べます。しかし、紛失や盗難にあえば、インターネットにつなげたパソコンと同様に、大量の個人情報が流出してしまう危険性があります。また、スマホの場合、スマホに入らない情報をネット上のデータベースにおいてスマホの中にあるのと同様に使うことができますがスマホの紛失や盗難の場合、ネット上のデータベース内から大量の情報が流出する危険性もあります。個人情報を漏洩してしまうと、自分が被害を受けるだけでなく、友だちや家族など様々な人に迷惑をかけてしまうかもしれません。また、通話やデータ通信、ショッピング等に利用されてしまったら、その費用は盗難された人に請求されてしまいます。
家を出るときには、玄関に鍵をかけるはずです。「面倒くさいから」を言い訳にせず、スマホにも必ずパスワードなどのロックをかけましょう。その他、メールやアドレス帳、データフォルダーなどにロックをかけるサービスやアプリもありますので、これらもうまく使ってください。また、なくしてしまったときは、携帯電話会社に連絡して回線を止めてロックしてもらうことも可能です。
不用意に書き込んでいませんか?
スマホがあれば、いつでもツイッターやブログ、SNSなどにつながります。友だちだけでなく実際には会ったことのない人とも、楽しく情報交換をすることができるでしょう。しかし、なかには悪意を持って接してくる人もいます。不用意な書き込みをしたために、誹謗中傷されたり、脅迫を受けたりするような事件も起こっています。
ですから、名前、学校名、住所、メールアドレス、自画写真などの個人情報を書き込まないように注意してください。また、友達しか見ないと思っても、その他の人に知られたら困るようなことは書き込んではいけません。一度ネットに流出した個人情報は、取り返せませんし、半永久的にネット上に残ってしまいます。また、バラバラに載せてある情報であっても、情報の断片をかき集めて個人を特定することも可能ですので、友人関係、自分の行動の公開などにも注意が必要です。
- 詳しくは、ケータイ・インターネットの歩き方「情報発信の仕方編」をご覧下さい。
「使いすぎ」じゃないですか?
ケータイ依存やネット依存という言葉を聞いたことはありませんか。ケータイやパソコンが手元にないとひどく不安になったり、四六時中、インターネットやゲームなどに没頭しすぎて自分では歯止めがきかなくなったりする状態をいいます。寝ないでネットゲームをしたために学校を休んだり、ネット以外での対面のコミュニケーションがとれなくなったりして、日常生活に支障をきたす例も見られます。また、ゲームのクエスト達成やアイテム収集のために有料サービスを利用しすぎて、お小遣いどころか家族でも払えないような請求が来てしまうケースも発生しています。
スマホは、ケータイとパソコンの両方の機能を備えているため、あなたが上手に活用すれば、生活や学習に役立てることができます。しかし、スマホを優先しすぎるあまり、あなたがスマホに支配されてしまっているような状況に陥ってはいけません。そうならないように、次のことを心がけましょう。
- 家族、友だち、先生などとの、リアルなコミュニケーションを大切にする
- 食事、宿題、登下校など、自分のやるべきことを優先し、スマホはその次に
- 使っていないときは手から離す
(例:食事中・入浴中は部屋に置いておく) - 使わない時間帯を設ける
(例:勉強中・就寝中は電源を切る)
不安を感じたら、信頼できる
身近な大人や相談窓口に
なぜ、これほどまでにスマホは人気がでてきたのでしょう。
はじめに述べたように、通話やメールだけでなく、ホームページ閲覧、動画・音楽・電子書籍、SNS、バラエティーに富んだアプリなど、実用性に加え様々な楽しみ方ができることに魅力を感じている人が多いからではないでしょうか。
様々な楽しみ方ができるというメリットがあれば、それに伴う危険(リスク)もあるのです。スマホはとても便利なものですが、メリットも危険(リスク)も、どちらもケータイ以上なのだということを忘れずに、十分に気をつけて使うことが大切です。
しかし、どんなに気をつけていたとしても、被害に合ってしまうこともあるかも知れません。もし、少しでも不安を感じたら、「しかられる!」「面倒くさい!」などと考えず、すぐに保護者や先生など、信頼できる身近な大人に相談することが一番の安全策です。専門の窓口もありますから、大人と相談しながら状況に応じて利用してください。